うな形をした減圧箱《げんあつばこ》の中に、だらしなく眠っている。――
 朝日が、天井窓からさしこんで来た。何の音も聞えない。静かな朝であった。人間たちの、さわぎをよそに、丸木はすっかりいい気持で眠っているのだ。
 するとその時、天井からさしこんで来た光が動いた。
 朝日の光が動いたのではない。光の中に、別の人がはいって来たのである。
 影法師の人間が、減圧箱の上に影をなげかけた。大きな頭がうつった。その頭には、不思議にも鬼の角のようなものが生えていた。
 鬼か?
 鬼でもなさそうだ。角は、二本よりも、もっとたくさんあった。そうして束ねた髪の毛のように、ぶらんぶらんゆれていた。
 やがて一本の梯子が、上から下りて来た。そうして床の上についた。
 その梯子を、つたわって、下りて来る者があった。さっき影を見せていた、あの鬼のような人物だった。
 黒いマントを着ていたが、下に下立《おりた》ったところを見ると、それは外でもない千二少年であった。
 ああ、千二少年!
 千二は、今までどこにいたのであろう? 今、千二はただ一人で下りて来た。だが、かわったすがたをしている。黒マントはまだいいとして、た
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