もまた片づいたか。あと、ゆだんがならないから、見かけたら、すぐ追いかけて、人間の乗っているロケットをとかしてしまえ」
 怪人丸木は、そう言って、部下にしかと言いつけた。
 こうして、ロケットは、いくつとなく、火星兵団のために怪しい最期をとげてしまった。
 地球の人々にも、ロケットの最期のことがだんだん知れて来た。そうしてついに、宇宙へとび出すことが、たいへんあぶない状態にあることがわかった。


   48[#「48」は縦中横] なさけの先生


 さて、ある朝のことであった。
 怪人丸木は、まだ宇宙艇内の寝室の中で、しずかにねむっていた。
 火星人は、一体どうしてねむるのか、たぶん、人間はそれをよく知らないであろう。
 怪人丸木は、寝室の二重戸を下すと、大きな一つの袋の中にはいる。それは、蚊帳《かや》のように四角になっていた。だが、空気は、もれないような仕掛であった。
 その袋のすそにポンプがあった。
 そのポンプを動かすと、袋の中の空気がどんどん出ていく。そうして圧力が低くなる。圧力計の指針がぐっと左に動いて、赤いしるしのついているところまで来ると、そこでポンプは、しぜんにとまるの
前へ 次へ
全636ページ中415ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング