ばかりつつ、マイクに口をよせて、宇宙電話で佐々によびかけたのであった。
 蟻田博士は、この宇宙電話機をうまく合わせておいたものらしく、
「はいはい。佐々刑事は、ここにこうして聞いているが、私をよぶ君は、全体何者かね」
 と、まぎれもなく佐々の声で返事をして来たのである。
「あっ、しめた!」
 と、先生は喜びのあまり、今にもおどり出しそうである。
「おお、佐々さん。私の声が火星へ聞えたのですね。私は新田ですよ。おわかりですか。新田です」
「おう、新田先生か。やあ、いいところで返事をしてくれた。ああ、なつかしいねえ」
 と、佐々刑事は、うわずった声で、喜びをぶちまけた。
 さあ聞え出した。宇宙電話だ!
 新田先生は、うれしさのあまり、急に胸がどきどきして来た。
「ああ、うれしいです、佐々さん。あいさつはぬきにして、今ほろびんとする地球のために、必要なことだけを話し合うことにして下さい」
 先生は、ねっしんに呼びかけた。
「ああ、わかった、わかった。僕はさっきもこの宇宙電話で放送したんだが、火星人は、ゆだんが出来ないやつだよ」
「そのことですが、私は一つの推理を立てました。火星人というのは、
前へ 次へ
全636ページ中401ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング