植物の進化したやつで、動物のような情心を知らないです。だから生まれつき、たいへん残酷なんです。どうですか、その通りでしょう」
と、先生が言えば、佐々は非常におどろいて、
「えっ、そうかね。火星人は、植物の進化したやつで、情知らずか。なるほど、そう言えば、いろいろ思いあたることがあるよ。この火星では道ばたなどで、仲間同志が殺し合うことを、平気でやっているよ。全くものすごいところだ」
と、たいへんなことを言う。
「先をいそぎますよ。それについて佐々さん、火星人は、まだたくさん地球に攻めて来るのでしょうか」
先生は、しんぱいなことをたずねた。
「そうとも、そうとも。火星兵団は、たいへんな人数だ。甲州の山奥で見た火星兵団なんか、ほんの一部分だ。兵団にいる兵士の総数はたいへんだ。何十億何百億人だ。何しろ火星人の子供は、一度にずいぶんたくさん生まれるのだ。子供のふえ方では、とても人間なんか、かなわないね。だから人間軍とたたかって負けるようなことはないと、火星兵団の連中は言っているよ」
佐々刑事の言葉は、聞けば聞くほど恐しい意味を伝えて来るのであった。
火星にいる佐々刑事と蟻田博士の地下室
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