なことを忘れていたのである。
「これは、うっかりしていた。この地下室から聞えて来る話声は、怪人丸木の声ではなかろうか。それだったら、大変だ」
先生の足は階段の途中で、しぜんととまってしまった。
新田先生は、ふたたび自分の心を鞭打った。
(私は、もっとしっかりしなければならない。こうなれば、怪人丸木であろうが、誰であろうが、ぶつかってみるほか、みちはないのだ。我々地球人類の幸福のために!)
新田先生は、胸の中にそう叫ぶと、今度は決心もかたく、しずかではあるが、たしかな一歩一歩をふんで、地下へ下りていった。
階段は、右の方へまがっていることも、前と同じだった。下へ下りていくうちに、ぷうんと妙なにおいが先生の鼻を打った。それも、この前かいだのと同じにおいであった。
先生は、なおも下へ下りて行ったが、急にあかりがとどかない廊下へ出てしまった。
(これは足もとがあぶない!)
と思ったものだから、先生はポケットに入れて来た懐中電灯を取出そうと思って、そこに立ちどまった。
その時、先生の足もとが、ぐらぐらと動いた。
「あっ!」
と叫んだ時は、もうおそい。先生の体はかたむいて、がらがら
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