下で何だか、えたいの知れない生物を見たおぼえがある。
その時、一しょにいた千二少年は、今はここにいない。
どうなったであろう、千二少年は?
少年はこの前、この同じところで怪人丸木のため、さらわれてしまったのであった。どうしたのだろう。千二少年は? 無事で生きておればいいが、死んだのではなかろうか。もし千二少年にめぐり会えれば、火星兵団の秘密が、もっといろいろとわかって都合がいいことであろうに。
先生は階段のところでたたずんだまま、しばらく千二少年と一しょにここへ来た日の思出にふけって、胸がしめつけられるようであったが、やがて、ぽんと胸をたたき、
「いや、過ぎたことを、そんなにくよくよ考えていても、しかたがない。今は、地球の人間を救うため、そうして火星兵団の暴力に手向かうため、どんどん働かなければならないのだ。めめしいことを考えて、涙なんか出していてはならない時なのだ!」
先生は、自分の心を自分ではげました。そうして、覚悟をきめると、階段をしずかに下りて行った。
階段の下には何がある? 前に来た時と同じになっているのであろうか。
下りながら先生は、はっと気がついた。大変重大
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