、このように、めちゃめちゃにくずれている。だから、博士はどこへ行ったことやらわからない。とにかく、こんなところに博士がとどまっていないことは、たしかであろう。
先生は、深夜にせっかくここまでやって来たが、こんなわけでかなり気を落した。こうなれば、どこか別のところを探しに行くより外に仕方がないと思った。が、しかし、何か博士の行方について、手がかりになるようなものが落ちていないかと、あたりを見まわした。
その時、先生の目にとまったものがある。
「おや、これは、後から掘りおこした穴のようだ」
先生の足もとには壁がくずれて、コンクリートの塊や木材が、ごたごたと折重なっていたが、そのコンクリートの塊の間に、人間がくぐれるくらいの穴があいていたのである。それは、ちょうどくずれおちた屋根の下になっていて、遠くから見たのでは、穴のあいていることがわからない。先生は俄に元気をとりもどした。
(ひょっとすると、この穴の中に誰かが、かくれているのではなかろうか)
そう思って、新田先生は、からだをかがめると、穴の中の様子をうかがった。
(おや、何だか、穴の中で、かすかに人のこえがするようだ)
先生は
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