、耳をすました。
穴の中からもれて来る話声は、たいへんかすかであった。新田先生は、全身の注意力を耳にあつめて、それを聞きとろうとつとめた。
だが何を話しているのか、先生にはよく聞きとれなかった。ただ、その話声は、かなり深い地底から聞えてくるものであるらしく思えた。それにしても、不思議な話声ではある。
(どうも日本語ではないらしいぞ。一体誰が話をしているのであろうか)
先生は、二重の不思議にぶつかった。
穴の中へはいって行こうとは思ったが、中から聞えるのが、日本人の話声でないことがわかると、たいへん気味が悪くなって、はいる決心がつかなかった。
その時、新田先生は、ふと心の中に思い浮かべたことがあった。
(まさかとは思うが、あるいは……?)
と、持っていた変話機を耳にあててみたのである。すると、どうであろう、穴の中の話声が、たちまち日本語にかわったのである。
(あっ、やっぱりそうだった。中にいるのは火星人だったのだ!)
先生のおどろきは、たとえようのないくらい大きかった。くずれた蟻田博士邸の下に、火星人の話声がしている!
先生は、変話機をかたく、にぎりしめて、地下から聞えて
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