、あなたには、博士がどこにいるか、わかっているのかね」
 博士はどこにいるか?
 もちろん、新田先生は、博士の居るところを、はっきり知らなかった。だが、先生は、あるところへ見当をつけていた。


   40[#「40」は縦中横] 地底《ちてい》の声


 行方不明の蟻田博士を探すために、新田先生は、ただ一人で出かけた。
 この夜更、しかも火星人が人間狩をはじめていて、往来のあぶない時にもかかわらず、先生は、だんぜん出かけたのである。
 大江山課長は、先生の強い決心を聞いて、ぜひとも警官を五、六人、連れて行くようにとすすめたのであるが、先生は、考えるところがあるから、一人で行くと言って、護衛の警官のついて来るのを断った。
 さて、新田先生はどこへ行くのであろうか。
 先生の足は、博士の研究所のあった麻布の高台へ向いた。夜の町を歩く先生は、度々、非常線にひっかかって、警官からきびしい取調を受けたが、その度に大江山課長から貰った通行証を差出して、そこを通して貰った。ついに、先生が博士の研究所跡にたどり着いたのは、真夜中の二時のことであった。
 研究所跡!
 あのりっぱな天文台の円い大きな屋根
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