「えっ、見たかい、それでどうしたの。ゴムだこをくわえていなかったかい」
「だめだめ。そんなにいつまでも、ゴムだこを、くわえてなんか、いるもんか。でも、どこかにくわえていって、埋めてあるのかも知れないと思ったからね。僕はあの犬のあとをしばらくつけてみたよ」
「そうかい。犬のあとをつけたのかい。そうして、どうだったい。ゴムだこを埋めてあるところが、わかったかい」
「いや、それもだめさ。あの犬はごみためばかりあさって歩いたが、ゴムだこを埋めてあるようなところへはいかなかったよ」
「へんだね」
「全くおかしいね。第一、あんなりっぱな犬が、ごみためばかりあさるのはおかしいよ。だって、あの犬は三、四百円もする高い犬なんだぜ。飼主が食べ物をやらないはずはない」
「そんなことは、わかりゃしない。モロー彗星が地球と衝突する日が近づいているんだ。どんなりっぱな犬でも、犬のことなんか、かまっていられないよ」
「なるほど、それもそうだね」
「それより、僕は、あのゴムだこについて不思議に思うことがあるんだ」
「えっ、不思議に思うって、何がさ。……」
 小学生たちの話は、なおもつづいた。
「だって、そうじゃないか
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