ことであった。
人間と人間、国と国との戦争においては、いくら相手が強くても、強さが知れている。いくら相手に秘密の新兵器があると言っても、こっちはスパイを使って、ある程度まで、その新兵器がどんなものであるかを、あらかじめ知ることが出来る。
しかし、火星兵のとつぜんの襲撃には、全く困ってしまった。地球の人間は、今までに、火星兵のことなどを、ほとんど、しらべていなかったのである。火星人のすがたを見たのも、今がはじめてである。
ところが、火星人の方では、前から、よほど念入に、地球のことをしらべ、地球に住んでいる人間のことまでしらべていたものらしい。ことに、地球の上で世界戦争がおこり、人間同志攻めあい殺しあいしているのを、火星人は、よく知っていたようである。彼ら火星人は、人間たちが人間たち同志の戦争で、ちょうどつかれはてていることを知って、地球攻略の心を起したようにも考えられるのである。
誰か、火星人のことをよく知っている者はいないか。そうして火星人の弱点をついて、あべこべに、彼らをやっつける者はいないか。こういう時に思い出されるのは、あの火星の研究家蟻田博士のことだ!
火星人の帝都侵
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