か、長くのびている。
「こいつはしめたぞ。やっつけるのは、今のうちだ」
 佐々は、ふところから捕縄を出した。刑事として、どこへでも持って行く丈夫な麻縄であった。それをすばやくとくと、二人の火星人の体を引きよせ、それを背中合わせにして、足は足、手は手、首は首という風にしばりあげてしまった。
 さあ、こうしておいて、今のうちに早いところ、火星のボートにおさらばしようと思って、元の出入口まで行ったが、どうしたものか、扉がぴたりとしまっていて、あけようとしたが、あかない。
「あ、やられたかな」
 佐々は、いまいましそうに舌打をした。しかし、あかないものはいつまでたってもあかない。仕方がないので、さっきしばった火星人をおどかして扉をあけさせようと考え、いくつかの階段をのぼって行くうちに、火星のボートは、ぐらぐらと動き出した。
「ああ、あの音は!」
 さすがの佐々刑事も、火星のボートのエンジンが、大きな音を立ててまわり出したのにはおどろかされた。
 彼は、廊下を走った。廊下のつきあたりに、妙な形をして外へつき出した反射式ののぞき窓があった。佐々はその窓に飛びついて、下の方を見た。大きなおどろきが、
前へ 次へ
全636ページ中322ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング