つそこへ来たのか黒マントの丸木の前に、しきりに、憐みを乞うている様子だった。
 丸木は、首を横に向けた。すると、前にかしこまっていたその火星人は、外へ出てしまった。丸木に叱られでもしたのであろうと、先生は思ったことである。
 黒マントの丸木は、先生の方へ寄って来た。何か用事でもありそうな様子である。
 新田先生は、立上って、身がまえた。
 怪人丸木は、ずんずん前に寄って来る。彼の手には、妙な形の灯火《ともしび》がにぎられている。まるで竹筒のようでもあり、爆弾のようにも見える。
 先生は、じりじりと下った。
 穴ぐらの監禁室の中!
 新田先生は、もうさがれるところまで、後さがりした。
 それでも、黒マントの怪人丸木は、まだじりじりと先生に迫って来る。もうこれ以上、後にさがれない。先生はさっき丸木の言うことに、どうしても従わないと言ったので、丸木は大へんきげんを悪くしているはずだ。こうして、今また丸木が先生の前に迫って来たからには、いよいよ丸木は、先生の体に危害を加えるつもりではないか。
 そう思うと、じりじりと穴の奥まで、追いつめられた先生は、もうどうにも助かる道がないように思った。先生
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