力を忘れなかった。
先生は火星人の口を見た。
口は半ば開いたきりであった。そうしてうるおいがなく、動かなかった。もちろんそこからはげしい息づかいも聞かれなかった。どう考えても火星人は、こしらえものの首を肩の上にのせているとしか思われない!
(おどろいた。火星人のやつめ、こしらえものの首をのせているらしい!)
先生が下に組みしいているこの火星人だけが、そうではないのだ。丸木だと思われる怪人も、この前、首をころりと落したことがある。
先生は急に、気持が悪くなった。首がなくて、生きていられるなんて、不思議なことだ。とても、ほんとうだと、思われないことだ。
だが火星人は、まさしく首なしで生きているのだった。それをしょうこ立てるように、ちょうどその時、先生の下でもがいていた火星人の首がもげて、ころころと向こうへころがって行った。
「あっ、とうとう首が落ちた!」
あまりの奇怪さに新田先生は、もうたまらなくなって火星人の腹の上から飛びのこうとして上半身をおこした。その時であった、先生がもう一つの、おどろくべきものを見たのは……。
それは、一体何であったろうか?
新田先生が、上半身をお
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