使わせてもらいたいのです」
 と、何でもないことを、おずおずと申し出た。どうも、丸木の話しぶりがへんだ。


   31[#「31」は縦中横] 火星人


 たいへんな相談をかけられたものである。地球人類を救ってやるから、この山梨県の山中一帯を、火星人にゆずれと言うのだ。
 新田先生は、そんな相談をかけられても、返事をすることは出来ない。先生は、この山梨県の地主でも何でもないのだから。
「そんな相談を受けても、私にはとりきめる力がありませんよ」
 先生は、正直に怪人丸木に返事をした。
 すると丸木は、むっとしたようであった。
「なぜ、とりきめが出来ないのかね」
 丸木は、時々らんぼうな口のききかたをする。
「私は、そんなことに力のない一国民ですからねえ」
「そんなことはない」
 と、丸木は強く言いきった。
「我々は、君を人間の代表として、相談をしているのだ。力があるもないも、もう一箇月もすれば、地球の人類は、誰も彼も、なくなってしまうではないか。君は人間だろう。人間なら、人間として、りっぱに我々に返事が出来るはずだ」
 どうもよく、丸木の言っていることが、のみこめないが、火星人は、人間
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