木は、ほこらしげに言ったことである。
「火星の宇宙艇には、そんなに、たくさんの人が乗れるのですか」
 と、新田先生は、思わず、ためいきをついた。わが地球のロケットでは、せいぜい五十人ぐらいの人間が乗れるだけである。
「だから先生、この際地球の人類は、自分だけの力でこの難関を切りぬけようとしてもだめですよ。わが火星の力がなくては、地球人類の生命は、助らないのだ。だから、我々の申出を受けて下さるがいい」
 丸木は、いよいよ得意そうに言った。
「なるほど。そんなりっぱな火星の宇宙艇を、たくさん借りることが出来れば、我々も大助りです。政府に話をすれば、きっと喜ぶでしょう」
「そうです。きっと喜ぶでしょう。先生、あなたは、やっと、我々の話を、本気で聞いてくれるようになりましたね」
「で、私に、政府へ話をしろと、おっしゃるのですか」
「その通りです。そうして、こういうことも、よく話をしてもらいたいのです。わが火星の宇宙艇の着陸場として、この附近の山中を我々にゆずってもらいたいのです」
「えっ、何ですって」
 丸木は、少し言葉じりをふるわせながら、
「つまり、この山梨県の山中を、我々火星人に、自由に
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