て、それを自分のつごうのいい方へとった。
「お困りの様子だが、まったくお気のどくに思う。皆さん方は、永久に地球の人類が栄えるものと思っていられたのであろうが、モロー彗星というやつが、それを正面から、じゃまをするんですからね。もっとも、モロー彗星は、意地わるをたくらんで、じゃまをするわけではなく、不幸にも、モロー彗星の進む道が、地球の道とちょうど合うことになっているんですから、これはどうも仕方のないことですよ。その点は、先生にもよくおわかりでしょうね」
「それは、よくわかっています」
「それならよろしい。来るべきこの大事件は、地球の人類にとって最大の不幸である。しかしそれは同時に、モロー彗星にとってもまた不幸な出来事である。そうでしょうが」
先生は、うなずいた。今まで、考えなかったが、モロー彗星にとっても不幸であるに違いない。しかしモロー彗星の上には、この地球みたいに、生物が住んではいないだろうから、いくら不幸だと言っても、我々の不幸にくらべると、くらべものにならないと思った。
「わしはずっと前から、この不幸な事件について、モロー彗星にも、また地球の人類にも同情をしていた。そうして、何
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