新田先生はおどろいて、その場にはね起きようとしたが、相手のために肩をおさえつけられた。それは、かなりの強い力だったから、新田先生は起きあがることが出来なかった。
「そうだ。わしは丸木ですよ」
 と、黒マントの男は、へんにしわがれた声で言った。
「君は丸木か。いつぞやは、私《わし》をひどい目にあわせたな。それはいいが、君はまた千二少年をさらって、どこへ連れて行ったのか。早く返したまえ」
 怪人丸木は、それには答えず、
「新田先生。我々は、あなたに相談があるのだ」
 穴の中の広間で、めずらしくも、怪人丸木と新田先生とが、にらみあっている。
 その丸木が、いつになく、やさしい猫なで声を出して、新田先生に相談があると言ったのである。
「相談とは、何です」
 と、新田先生はゆだんをしない。
 すると、丸木は、
「まあ、そこへおかけ」
 と言って、先生に、腰かけにちょうどいいほどの大きな石ころをすすめ、自分はのっそりとつっ立ったままで話をはじめた。
「どうぞ、君もおかけなさい」
 と、先生は礼儀正しく、丸木にも腰をかけることをすすめたが、丸木は、いや、私は、この方がいいのですと言って、あいかわら
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