らなければならなかったのである。
 とけない謎は、怪人丸木と千二少年の行方であった。二人の体は、棟木の下に見つからなかった。どうやら二人は、命が助かったものらしい。そうして千二は、丸木のために連去られたものと思われた。そうして二人は、消息をたってしまった。
 その年は、混乱の中にあわただしく暮れ、新しい年が来た。


   27[#「27」は縦中横] 大警告《だいけいこく》


 元の体になるかどうか、あやぶまれた新田先生の傷も、年があらたまるとともに、不思議によくなって行った。
 先生が、怪人丸木のため頭部に受けた深い傷は、先生をながい間気が変になった人にしておいた。ところが、このごろになって先生は、ようやくあたりまえの人にかえり、看護婦たちと、やさしいお話なら出来るようになった。
 しかし、新田先生が、ほんとうに以前の元気な体になるのは、まだ一箇月の先のことであろうと思われた。
 先生が、病院のベッドの上に寝ているあいだに、世の中は、たいへんかわった。
 東京地方をおそった例の強い地震は、大正十二年の震災ほど大きな災害を与えはしなかったが、それでも東京市だけで言っても、市の古い建物
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