たであろうか。真夜中のこととて、さわぎはなかなか大きかった。
 もし、元気な佐々刑事が、運よく外にはい出さなかったとしたら、他の人たちは、どんなことになったか知れない。
 暁近くなって、ようやく崩れたあとを掘りかえしはじめたが、最初に見つかったのは、佐々の連《つれ》の警官の死体であった。いたましくも、彼は殉職してしまったのである。
 佐々は作業隊をはげまして、さらに、発掘をつづけた。すると、今度は、折重なった柱の下から、新田先生が出て来た。
「おお、新田先生。しっかりしなくちゃだめですよ」
 佐々は声をかけた。新田先生は、まっ青な顔をして、ものも言わなかったけれど、生きている証拠には、かすかに瞼《まぶた》をうごかした。
 助け出された先生は、かなりの重体であった。ことに、丸木のために頭に加えられたうち傷はかなり深く、それに時間もたちすぎているので、その経過があやぶまれた。それで、救護班の手によって、大いそぎで病院に送られて行った。
 何しろ東京全市も大混乱しているので、新田先生の手当も、早くしなければならぬのに、だんだんおくれて、その結果新田先生は、それから数箇月後までも、病床に横たわ
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