木は、ついに床の上に、どしんと転がった。首は、手からはなれて、壁にぶつかった。
「しめた!」
 佐々は、連の警官に目くばせして、起きあがろうとする丸木の上から、どうんと、とびついた。
 それから先が、たいへんなことになった。丸木は二人力も三人力もあるとみえ、なかなかひるまなかった。三人は、上になり下になり、蟻田博士の秘密室に、ほこりをたてた。勝負は、なかなかつかない。
 その組打のまっ最中に、とつぜん思いがけない一大|椿事《ちんじ》がもちあがった。
 それは、どうんという地響《じひびき》とともに、にわかに床が、ぐっと上にもちあがると、たちまち部屋は、嵐の中に漂う小舟のように、ゆらゆらと、大ゆれにゆれはじめたのであった。
 地震? 地震なら、よほどの大地震であった! 壁は、めりめりと大音響をあげて、斜に裂けだした。柱がたおれる。天井がおちて来る。あっという間に、五人の者は、倒壊した建物の下敷になって、姿は見えなくなった。
 思いがけない大異変であった。五人の運命はどうなったか?

 思いもよらない大地震に、蟻田博士の建物は、がらがらと崩れてしまった。
 その下になった人々は、一体どうなっ
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