たんはずれた首を、胴の上に取附けようと、一生けんめいにつとめているものらしかった。
人間が、首をおとして生きていることも、不思議きわまる話であるが、一たん下におちた首を、もとのところへ取附けようとするのも、へんな話であった。
読者は、こんなばかばかしい話に、あきれられたことと思う。まったくのところ新田先生も、この有様を見て、あきれきっているのである。
だが、これはまだ説明してない、一つの秘密があるのだ。それが何であるかは、まだ話をする時期になっていない。その秘密は一体どんなことであるか。当分読者のみなさんにおあずけしておく。
さて、新田先生は、この時、すてきな機会をつかんだ。
「待て、新田先生」
とつぜん、丸木が叫んだ。丸木がはじめて声を出したのである。
先生はおどろいた。
首のない怪物が、ひょいと首をのせたかと思うと、とたんに大きな声を出したのにもおどろいたが、いきなり自分の名を呼ばれたのには、とてもびっくりした。
どうして、そんな魔法のようなことが出来るのであろうか。とっさの出来事で、先生にはそれがどういうわけだか、一向わからなかった。
「何だ、降参するか」
先生
前へ
次へ
全636ページ中242ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング