音だった。そのひびきで壁の柱時計がごうんと鳴ったほどであった。だが、怪人はまだまいらない。
 千二は、マントの下で、足をばたばたさせている。新田先生はそれを見ると、またもう一度、丸木の胸にぶっつかって行った。
 すると、丸木の腕がマントの下からぬうっと出たが。……
 三度目の新田先生のもうれつな突っぱりに、さすがの怪人丸木もややひるんだものと見え、それまではうごかさなかった左腕を、マントの下からぬうっと出したが、これを見ておどろいたのは、先生だった。
「あっ、首!」
 怪人の腕のさきに、一箇の首が生えていた。――いや、怪人はマントの下で、左手に自分の首を提げていたのであるが、新田先生のはげしい突っぱりによわったものと見え、マントの下から左手を出したとたんに、提げていたその首があらわれたのであった。
 何をするのか怪人!
 彼は、自分の首を持上げると、とつぜん自分の胴にすえた。――これで、今まで首のない怪人に、はじめて、首が生えたのであった。
「おお、きさま!」
 新田先生は、丸木の顔をにらみつけた。
 怪人丸木は、低くうなりながら、左手でしきりに首をおさえている。
 それは、どうやら一
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