わ味を見せてはたいへんと、新田先生は、はげしい声で相手を叱りつけた。
が、その怪人は、べつに驚く様子もなかった。もっとも、首がないのだから、どんなことをしても顔色が見えないので、見当がつかない。
先生は、千二の手を取って、怪人の前をすりぬけようとした。
その時、首のない怪人は、黒いマントの下から、にゅうと腕を出した。そうして、あっという間に、千二の肩を、ぎゅっとつかんだ。おお一大事だ!
蟻田博士邸の秘密室のまん中!
とつぜん、新田先生と千二少年の前にあらわれたのは、首のない怪人! 先生が後に千二をかばうひまもなく、黒い長マントの怪人は、腕をのばして、千二の肩をむずとつかんだのである。さあ、たいへんなことになった。
この怪人は、一体誰であろうか。
あの自動車事故のあった崖下を、うろうろしていたあの怪人であった。そうして佐々刑事とたたかっている時、首をぽろんと落したその怪人であった。
大江山捜査課長は、この怪人こそ、例の丸木であるにちがいないとにらんでいた。
そのにらみに、まちがいはなかった。この怪人こそ丸木だったのである。
一度は、千二をつれて銀座に案内させ、ボロンの
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