してならぬ。
「ねえ、千二君。あの動物のそばへよって、もっとよく見たいものだね」
「ええ」
「どこか、そのへんに、下りるところがあるのではないか。さがしてみようよ」
「ええ」
「ああ、千二君、こわければ、先生について来なくてもいいよ」
「いえいえ、僕、一しょに行きます。しかしねえ、先生。あの怪しい動物は一体何でしょうか。先生は、すこしも、見当がついていないのですか」
 千二は、熱心にたずねた。
「まだ、わからない。全く、わからない」
「そうですか」
 と、千二は、ちょっと考えていたが、
「実はねえ、先生。僕はさっき先生が、穴の中にへんな動物がいる、と言われたので、のぞきましたね。その時、僕は、それは火星の動物じゃないかしらと思ったのです。つまり、いつか、火星のボートに残っていた、怪しい奴のことを思い出して、また、あれと同じかっこうをした奴ではないかと思ったんです」
「うむ、うむ。それは、なかなかいいところへ気がついた。それで……」
「それで、穴の中をのぞいて、よく見たのですが、違っていました」
「違っていた?」
「そうです、たしかに、違っていました。火星のボートに乗っていた奴は、僕と組
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