あたりを振りかえり、足早に佐々の側へ近づき、
「おい君。この辺で、子供を見かけなかったか」
と、声をかけた。
「なに、子供?」
佐々は、顔を上げたが、けげんな顔。
とつぜん呼びかけられて佐々刑事はちょっと面くらった。
「子供って、何のことだね」
と、佐々は問いかえしながら、相手の顔を見た。
相手は、制服すがたの警官だった。帽子をまぶかにかぶって、その帽子の庇《ひさし》から、こっちをじっと見ている。しかし、佐々刑事は、そのような顔の警官に始めて会う。芝警察署あたりから応援に来た警官だと、佐々は思った。
「子供だ。この辺で、子供を見なかったかね。その子供は、死んでいたかも知れない。子供の足跡でもいい。君知っていたら、教えてくれたまえ」
その警官は、つかえながら、そんなことを言った。
「さあ、僕は、何も見かけなかったよ」
相手の様子が、何だか変である。よく見ると、その警官は、あごからのどへかけて、白い繃帯《ほうたい》をまいているのであった。
「君、どうしたんだ、その繃帯は?」
と言って、佐々は、すこし失敬かなとは思ったが、懐中電灯を相手ののどに向けた。
すると、相手はびっく
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