よ。まるで西洋の大魔術みたいなものですからねえ」
いつの間にか、佐々刑事が、前へ出て来て、あたりはばからぬ大きな声をたてた。
「不思議だ」
課長は、一言、また不思議だと言った。そうして、とんとんと、机の上をたたきつづける。
「この大魔術に、なんという名前を、つけますかねえ。ええと、秘法公開、空中消身大魔術! どうです。なかなかいい名前だ」
佐々刑事は、ひとり喜んでいる。
「不思議だ!」
と、課長は、また言って、頤《あご》の先をつまんだ。
「だが、この世の中に、種のない大魔術は、あるはずがない。そうだ、この事件なんか、とても怪人丸木くさいところがあるぞ」
課長は、すっくと、立ちあがった。
「怪人丸木ですって?」
一同は、言合わせたように、声をそろえて、丸木の名を言った。
「そうだ。運転をしていたのが、怪人丸木で、運転台に乗せられていた少年が、千二であった――と、こう考えてみるのも、魔術であろうか」
「えっ、千二少年に怪人丸木!」
と、一同のおどろきは、再び爆発した。事件が、また再び、千二少年の行方のところへ戻って来たのであった。
「そうだ。あいつなら、魔術ぐらいは、使うであ
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