りませんが、御参考までにお耳に入れておきます。申し上げない方がいいのですが、後で万一関係があったということになりますと、申訳がありませんので……」
 と、いやに気の弱い言いかたをして、大江山課長の顔をじっと見た。
「なに、参考になることなら、どんどん報告したまえ。引込んでいることは、ないじゃないか」
 課長は、少しいらいらした気持で、この遠慮ぶかい主任をうながした。
「は、それではお話いたしますが、実は、お昼ごろのことでしたが、スピード違反の自動車がありましたので、これを白バイで追跡いたしました。すると、運転台に、妙な顔をした運転手と、そのそばに一人の少年が坐っているのを見ました」
「なあんだ。少年の助手は、このごろ、いくらでもいるよ」
「ところが、少し変なことになったのです」
「あまり、もったいぶらないで、どんどん先を話したらいいだろう」
「は、つまり、自動車は、脱兎の如く逃走いたしました」
「逃げたとは、変だな。白バイは、何をしていたのか」
「いえ、自動車が、猛烈なスピードをあげて逃げてしまったのです」
「逃しては、話にならないね」
「ところが、追いついたのであります」
「どうも君
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