ありませんか」
「間違? このわしの言葉に、間違があるとでも言うのか。お前は、わしの言葉を信じないのか。わしの天文学に関する智力を知らないのか」
「知らないことはありませんが……」
「そんなら、それでいいではないか。わしを疑うような言葉をつかうでない。もし疑わしいと思うなら、何なりと尋ねて見ろ。たちどころに、その疑いをといてやる」
蟻田博士の自信は、巌《いわお》のようにゆるがなかった。博士の自信に満ちた様子がうかがわれると、それだけに新田先生は悲しくなった。
「すると、四月四日の衝突ののち、我々地球の上に住んでいる人間は、一体どうなりますか」
「そんなことは、わしに聞くまでもない」
「すると――すると、やはり我々は一人残らず死ぬのですね。死滅ですね」
「そうだ、その通りだ」
博士は、こともなげに、あっさりと返事をした。新田先生の胸は、しめつけられるように苦しかった。いよいよ来る四月四日かぎりで、地球とともに人類も滅びるのだ。こんなに永い間、いろいろと苦労をつづけて来た人類が、あっさりと滅び、その光輝ある歴史も何も、全く闇の中に葬られてしまうのである。そんな恐しいことがあっていいだろ
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