うに、こんもりとしげった、たいへん大きな森林が見えて来た。つかいの者は、その森をゆびさし、
「あそこに大きな森が見えますね。あれが王城です。新王ロロは、あそこでお待ちかねです」
ロケットは、王城の森の入口に、しずかに着陸した。
そこには、蟻田博士たちを出むかえの、えらい役人や軍人が、ならんでまっていた。彼等は、すきとおった長いころものようなものを着ている。
千二から見れば、だれもかれも、みな、おなじような顔に見えた。
首相モンモンが、まえにすすみ出て、博士にあいさつをした。
「蟻田博士でいらっしゃいますね。ロロ王が、おまちかねです。どうぞ、こちらへ……」
森の中の、ふしぎな景色は、千二をおどろかした。上から見れば地球の森とおなじであるが、こうして、地上から森の中にはいって見ると、地球の森とは全然ちがっている。なんという木か知らぬが、左右から大きな根をはり、それがくみあい、まるで、籠をふせたような形になっている。その正面に、門のような入口があいている。蜜蜂の巣箱の下に、蜂の出入する穴があるが、それによく似ている。
「どうぞ、こっちへ、おはいりください」
首相モンモンは、先に立って、その門の中へはいっていった。千二も、蟻田博士や新田先生のうしろから、ついていった。
入口をはいると、はばのひろい大きな階段が地下へつづいている。地底に、りっぱな宮殿があるのであった。きらきらと、うつくしい灯火が、その中でうごいている。
「おおロロ王が、あそこにおられる」
蟻田博士は、そう言って、うしろにつづく先生と千二に、注意した。
階段の下には、王冠をかぶり、黄金でこしらえたうすいころもを着た、りっぱな火星人が立っていて、博士の方へ、手をのばした。
「ああ蟻田博士。よくおいでくださいましたね。おかげさまで、ごらんのとおり、火星国は、りっぱにおさまりました。お礼を申しますよ」
「おお、ロロ王。ごりっぱです」
博士は、ロロ王の手をしっかりとにぎった。
森の王城では、この夜、新王ロロと副王ルルとが、蟻田博士たちに、お礼をする意味で、たいへんな大宴会を開くことになった。
そのときは、もう太陽が沈んで、夜になっていた。あと一時間もたてば、大宴会場は開かれることになっていた。
千二も、王城内の火星人たちから、ちやほやされるので、わるい気もちはしなかった。はじめは火星人がきみが
前へ
次へ
全318ページ中314ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング