のうえに、たおれているのだった。ああ、せっかく火星までもどって来たのにこの二人の貴族は、そのよろこびにもあわずに、気ぜつをしてしまったのか――と、びっくりしたが、ほんとうは、そうではなかった。そのとき千二の目のまえで、ロロとルルの胴中《どうなか》がぱっくり、たてに二つにわれたのだった。
「おや」
 と、千二がまた目をみはるとたんに、その中からむくむくと立ちあがった二人の怪物の姿!
 おお、その姿!
 千二は、目をみはった。
 ロロ公爵とルル公爵の死骸の上に立上った、二つの怪しい影!
「千二君、なにを、そんなに、おどろいているのですか」
 と、その怪しい影の一つが言った。
「えっ」
 と、千二は、胸をどきどきさせた。彼は、まだ気がつかないのだ。
 すると、その怪しい影は、千二の方へ手をあげて、
「千二君。君は、わたしが誰であるか、まだわからないらしいね。わたしは、ロロ公爵だよ。そうして、こちらはルル公爵だ」
 と言って、その怪しい影は、となりに立っているもう一つの怪しい影をゆびさした。
「えっ、ロロ公爵とルル公爵? ああ、そうだった。そう言えば、いつだか見た火星人のほんとうのすがたを、今やっと思い出しました。どうも、しつれいしました」
 千二は、やっと、ロロ公爵とルル公爵とを思い出した。
「いや、わからなかったのは、むりはありませんよ。火星へ着いたというので、あなたがたは防寒服を着たり、酸素かぶとをつけたりしました。ところが、それと反対に、われわれは今まで着ていたきゅうくつな耐圧缶をぬいで、もとの、はだかになりました。たいへんらくになったので、よろこんでいますよ」
「なるほど、なるほど。あなた方と僕たちは、ちょうど、あべこべですね」
 と、千二は、笑い出した。
 火星人の背は、千二少年よりややひくいので、ロロ公爵と話をしていると、年下のこどもと話をしているような気がする。
 そのあいだ、ルル公爵の方は、あいかわらず、だまっていたが、その時扉があいて、風がはいって来たので、ルル公爵は、ロロ公爵をふりかえって、言った。
「さあ、出かけましょうぜ」
 ロロ公爵とルル公爵は、蟻田博士のところへ、わかれのあいさつにやって来た。
「蟻田博士、いろいろおせわになりましたが、それでは、これから出かけます」
「おお、いよいよお出かけかな。では、どうぞ、おげんきにな。大勝利を、いのってい
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