いって来い」
 博士は、一つの部屋の扉をあけると、中へはいって行った。電灯がぱっとついた。
 先生は、どんなものが、ならんでいる部屋であろうかと、中へはいって、あたりを見まわした。
 その部屋はたいへん広かった。そうしてわけのわからぬいろいろな機械がぎっしりならんでいた。町の工場の機械室でも、これほど機械や工具のととのった部屋はあるまいと思われた。
 その部屋で、先生が一番おどろいたのは、奥まった正面に、形は魚雷のお尻に似て、非常に大きいものが、壁の中から、にゅっと出ていることであった。そのかっこうは、まるで、大きな魚雷を壁に打ちこんだようだ――とでも言おうか。
 博士は、つかつかと、その魚雷のお尻のようなもののそばによると、その下にしゃがんで、しきりに金属音を立てていたが、やがて先生に、
「さあ、こっちへ来い。頭を打たないように気をつけて、ここからはいって来い」
 と言った。先生は、腰をひくくして、そこをのぞき込んだが、あっとおどろいた。
 形は魚雷のお尻のようであるが、大きさはとても魚雷どころの騒ぎではない。大きな舵器のように見えるが、その隣にぱっくりあいている穴には、上からはしごが下っている。
 蟻田博士は、そのはしごを上って、中にはいってしまった。新田先生はおどろいたが、博士におくれないようにと、はしごを上っていった。
「おお、これは……」
 新田先生は、又もおどろきの声をあげた。
 それもそのはず、博士についてはいりこんだ魚雷のお尻みたいなものの中は、たいへんに広いのであった。
 室内は、どこのかべも安楽椅子の背中のようにじょうぶにされ、ゆびでおしてみると、中には強い「ばね」がはいっていた。つまりかべ全体が――いや、かべだけではなく、天井もとびらも――安楽椅子の背中のようにつくられてあった。それから、やたらに電車のつり皮みたいなものがぶらさがっていた。それもかべだけではなく、天井にもついているし、床にもそれがついているのだった。
 床についているつり皮! 新田先生は、こんなところにつり皮がついているなんて、じつにへんだとその時は思った。だが、それにはわけがあったのである。いずれ後にわかるが、この魚雷のお尻のようなものが、一体何であるかがわかると、何もわかってしまうのだ。
「おい、新田。何をしとる。早く来ないと見えなくなるぞ」
 蟻田博士が呼ぶので先生は気が
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