遂に最悪の事態を迎えて、デニー博士の顔は深刻さを増した。
 乗組員たちは、大急ぎで空気服を着はじめた。大きな靴、ぶかぶかの鎧《よろい》の様な脚や胴や腕、蛸の頭の様な丸い兜、空気タンク、原子エンジン発電機。みんなの姿が変ってしまった。
「割合に軽いね。へんじゃないか」
「火星の上では、重力が地球のそれの約半分なんだから、地球で着たときよりはずっと軽く感じるのさ」
「そうかね。これでどうやらすこし火星人に似て来たぞ。彼奴らも空気服を着ているのかしらん」
「まさかね」
 そのとき乗組員たちは、デニー博士の前に四人の少年が並んだのを見た。どうしたわけだろうか。四人の少年は、揃いも揃って、お尻に大きな尻尾を垂らしていた。
 四人の少年は、デニー博士にしきりに何かいう。博士は、分った分ったと、手をあげて合図をする。やがて博士は、四人の少年の手を一人一人握って振った。すると彼らは、博士の前から動きだして、部屋を出ていった。いったいどうしたことであろうか。
「諸君におしらせすることがある」
 デニー博士は、空気兜についている高声器を通じて乗組員たちに呼びかけた。
「ただ今、ごらんになったろうが、河合
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