その赤いものが、ばらばらというのは……」
「それが分らない。火の子よりは大きいんだ。綿をちぎったほどの赤いものだ」
「すると焼夷弾《しょういだん》が上から降ってくるのかな」
「焼夷弾が落ちてくる下で踊るわけもないじゃないか」
とネッドが異議を申立てた。
「だから僕は、そのうらないは、やがていいことのあるしらせだと思う」
「君は楽天家で、羨しいよ。とにかく今にそれが本当か嘘か分るだろう。あばよ」
そういって河合は、食料品を抱《かか》え直すと、マートン技師の許へ走り戻った。
河合が、ちょっと留守をしている間に、艇外の形勢はいよいよ険悪の度を加えていた。テレビ見張器で見ると、艇の四方はもはや完全に火星人の大群で包囲されていた。
そして不気味な生物たちは、ひしめきあいながら、次第にじりじりと艇の方へ向って包囲の輪を縮めつつあった。
と、とつぜん彼等の頭上に、青い花火のようなものが、ぱんぱんと炸裂《さくれつ》した。するとそれが合図と見え、火星人の大群は、まるで海岸にうちよせる怒濤《どとう》のようになっておどりあがり、そして非常な速さで四方八方からわっと艇へ殺到したのであった。遂に運命の
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