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    5992
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     K9LM
     N74P
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[#ここで罫囲み終わり]
 ここまでは進んだが(第十図)――あとはどうもうまく決らない。帆村は苦しそうに呻《うな》りながら寝返りをうった。
「どうして解けないのだろうか。おれの頭はばかになったのか」
 帆村は拳をかためると、自分の頭をガンとなぐった。
「駄目だ。解けない」
 帆村は算術地獄におちこんだと思った。さもなければ、頭脳が麻痺《まひ》してしまったのだ。ここまで解きながら、答が出ないとは何としたことであろう。はるばる富山まで来て、交番の奥の間に呻吟《しんぎん》している自分が世界中で一番哀れなものに思われた。どうにでもなれ!
 そのうちに酒が身体に廻ってきた。疲労の果《はて》か酒のせいか、彼はうとうとと睡りはじめた。


   謎は解けた


 ぱっと目がさめたとき、彼は急に気分のよくなっていることに気がついた。
 彼は再びノートをとりあげた。
 暫くノートの表を凝視《ぎょうし》していた彼は、思わず、
「うむ」
 と、呻って目をみはった。
 彼は畳の上をとんとんと激しく叩《たた》いた。
 隣室に待っていた栗山刑事が、とぶようにして入ってきた。
「帆村さん、どうしました」
「おお、栗山さん。今日東京へ飛ぶ旅客機に間にあいませんか」
「えっ、旅客機ですか、こうっと、あれは午後一時四十分ですから、あと四十分のちです。それをどうするんです」
「僕は大至急東京へ帰らねばなりません」
「そんな身体で、大丈夫ですか」
「いや、大丈夫。謎が解けそうです。すぐ帰らねばなりません。どうか飛行場へ連れていって下さい」
 親切な栗山刑事は、帆村の身体を抱えるようにして旅客機の中へおくりこんだ。
 午後一時四十分、ユニバーサル機は東京へ向けて出発した。
 帆村は青い顔を窓から出して、見送りの栗山刑事へ手をふった。そしてほっと溜息をついた。
 とうとう四日間というものを欺《だま》されとおしてきたのだ。
 帆村の心は穏《おだや》かでない。
 割り算の鍵《キイ》は一体どうなったのか。
 鍵は解けないともいえるし、解けたともいえた。なぜなら予期した六桁の数は遂に分らないの
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