74□)□□□□□□
□□□2
―――――
□9□□
□74□
―――――
□□4□
□□□□
――――
0
(終)
[#ここで罫囲み終わり]
なお「終」という字が一字書きこんであるところを見ると割り算の宝さがしの旅は、この富山をもって終ったわけだった。
割り算を見ると、いよいよ答は最後の一桁まで出た。3という数字がたっている。そしてすっかり割り切れている。これでこの割り算は完結しているのだ。
帆村はうずく顳※[#「需+頁」、第3水準1−94−6]《こめかみ》をおさえつつ、このノートに見入った。ここで急速に答を出さなければならない。六桁の被除数は、まだ第一数字しかわかっていないのだ。
「帆村さん。これをお飲みなさい」
医師はコップに熱い酒をついで帆村の枕もとへ持ってきてくれた。帆村が遠慮したいというと、医師は笑って、
「いや、これは土地での一番いい酒です。これをぐっとやると、かえって早く元気づきますよ」
帆村は、その親切な心の籠《こも》ったコップをとりあげながら、最後の解法にかかった。
[#ここから罫囲み]
[第九図]
※[#丸6、1−13−6]
ハ ヌ
↓ ↓
8X3
_______
749)6CDEFG
↑↑ 5992←ニ
イロ ―――――
K9LM
↑
ホ
N74P
↑↑
ヘト
―――――
チ
↓
QR4S
TUVW
――――
リ→0
[#ここで罫囲み終わり]
まずこれを第九図のように整理した。すぐ目につくのは、答の一の桁に現われた3と、除数の 749 とをかけると 2247 となることだ。つまり TUVW は 2247 である。うまく割り切れているところを見ると、Vは4でなければならぬが、この点もちゃんと合う。
従って QR4S も同じく 2247 となる。
また G=S=7 である。
さてその次はどれが決るか。
「これはおかしい」
帆村の顔が歪《ゆが》んだ。
[#ここから罫囲み]
[第十図]
8X3
前へ
次へ
全22ページ中18ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング