1−13−3]

       8
   _______
74□)□□□□□□
    □□□2
    ―――――
     □9□□

※[#丸4、1−13−4]ハ沼津市駅前、菊屋食堂ノ「ロンドン」塔ノ写真ヲ焼付ケテアル鏡ノ裏面。塔ノ上ヨリ三ツ目ノ窓ニ星印アリ
[#ここで罫囲み終わり]
 これは例の新宿追分ハマダ撞球場にしまってあった世界的撞球選手ジョナソンのポスターの裏に紫外線灯をさしつけて素早く読みとった文字の写しであった。これによると、割り算が三段となって、一段殖えた。
 帆村は躍起《やっき》となって、この月足らずの割り算に注意を向けた。第三段目に□9□□という四位の数字が殖えたが、これによって、謎の枠《わく》の中の数字をまた新しく類推できるにちがいないと思った。
 彼はノートを書きなおした。
[#ここから罫囲み]
[第四図]
※[#丸3、1−13−3]

       8←ハ
   _______
74A)BCDEFG
↑↑  HIJ2←ニ
イロ  ―――――
     K9LM
      ↑
      ホ

[#ここで罫囲み終わり]
 これについてまず分るのはDはJよりも小さいということだ。なぜなら、前にわかったようにJは5か9かであるがその下のホに9という数字が出ているから、ここへ9が出るためには、どうしても上のDの方が下のJより小さくなくては、そういうことにならぬ。
 するとDは、一桁上のCから1を下げてもらってJを引くことになる。
 すると今度はCが零であり得ないことになる。もしCが零なら、Dへ1を送って9が残るが、その下のIは9であるから、9−9=0 となってKが零にならねばならぬ。しかるにKは零ではないから枠が書いてある。Cは零であり得ないことがこれで分る。
 そうなると B=6 と確定する。なぜならば、Bの下のHは5で、更にその下には数字がない。而《しか》もCは零でなく、たとえ9であってもDへ1を取られて8を残すから、Iすなわち9が引けるためにはBは6の外に取るべき数字がないのである。
 またもうすこし深くDを研究すると、除数が 744 のときには D=4、また 749 のときには D=8 となる。
 もっともEが2より小さい1か零であるともう一つ上の数字になるが、それはまず少い場合といわなければならない――。
 そのほかのことは、まだ
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