字、第十四字、第十六字、第十九字、第二十七字、第三十字……となる。試みに、その番号に相当する文字を、後半の百文字の中から拾ってみよう。
 すると第五字(イ)、第八字(ソ)第十四字(ギ)、第十六字(ア)、第十九字(ン)、第二十七字(ゴ)、第三十字(ウ)……であるから、この順に文字を拾ってみると――イソギアンゴウ――イソギアンゴウ――“急ぎ暗号”かなよろしい。もっと先を拾ってみよう。
「第三十二字(ヲ)、第三十六字(モ)、第三十八字(チ)、第四十五字(テ)、第五十三字(モ)、第五十八字(ウ)、第六十一字(シ)、第六十四字(ア)、第六十六字(ゲ)、第七十字(マ)、第七十三字(ス)――ヲモチテモウシアゲマス。始めからだと“急ぎ暗号をもちて申上げます”となる、これだ。
 後半の文字の中から、ンの文字の個所にあたる文字を拾えば、暗号は解けるのだ。よし分った。それなら先をつづけよう。
「“急ぎ暗号をもちて申上げます例の男は”――ここまでで二十五字となる。これだけでは文章が尻切れ蜻蛉《とんぼ》だ。その先はどこに隠れているのだろう。
 もっと暗号文は永く続いているのではあるまいか。用箋の第二枚、第三枚が
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