しょう。それからまた(ハ)の法則の世界に住むならば、神経衰弱どころではなくて、けがばかりしていなければならないでありましょう。われわれは(イ)の法則の世界に住んでいるから、たいへんしずかで、安全であります」
「その(ハ)の法則の世界というと、どんな法則なんですの」
「おお、まだ説明しませんでしたね。(ハ)の場合は、AB間の引力が距離に無関係な場合であります。つまり距離が近くても遠くても、引力は同じにはたらくのです。すると、距離に無関係で、ただABとの質量の大きさだけで、引力がきまります。そうなると、うるさいですよ」
「どんなにうるさいですか。そのような世界があったら、早く連れていって見せてください」
「それでは、その世界へいってみましょう。(ハ)の場合ですよ。引力が、距離に無関係である世界です。重ければ重いほど、引力が大きいという世界です。ほら。私が、ワン、ツー、スリーというと、その世界へ、みなさんがたは、はいってしまいますよ」
 そういったポーデル博士は、手を大きくふって、「ワン、ツー、スリー」と号令をかけた。
 すると今まで見えていた樽ロケットの中の一室が、とたんにぱっと消えた。そ
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