あの世から便りをする話
――座談会から――
海野十三
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)素晴しい霊媒《れいばい》が見付かった
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)丁度|最前《さっき》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)がさつ[#「がさつ」に傍点]
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僕の友達で人格も高く、学問の上からも尊敬され、友人からも非常に尊敬されていた男があったんです。それが不幸にして最愛の細君を失いました。
或る日、その友達が私の所へ来て、「『心霊研究会』というものがあって、其処に実に素晴しい霊媒《れいばい》が見付かった。自分は今まで研究をして居《お》ったけれども、これ以上の霊媒はない」事実、霊媒を通じて奥さんと話をすると、いろいろ符合する所があるそうで、例えば奥さんが夫には内緒で、指輪を奥さんの妹に買ってやった。それを先方《むこう》で言い出したのです。「あなたに内緒で妹に指輪を買ってやりましたが、誠に済みませんでした」と言った。これこそ誠に絶好なものであるというので、家へ帰って死んだ細君の妹に聞いて見ると、まさしくその通りで
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