見よ!――と正義人道に燃えたつ幾多の志士仁人が叫んでいる。叫んでいる人達も同じく飢餓に瀕している――まじめな勤労の人々が無数に飢えているのだ。自分のような役にも立たん人間が生きているのはまことに申しわけのない次第だと思っている。そうして、生きている間はこんな愚痴を並べたてるより他になんの芸も持ち合わせてはいないのである。
底本:「辻潤著作集2 癡人の独語」オリオン出版社
1970(昭和45)年1月30日初版発行
※このテキストには、差別用語に該当すると思われる語句が使用されているが、作品が発表された時代背景を考慮し、そのままとした。
表現のおかしい箇所は、「辻潤選集 玉川新明編」五月書房、1981(昭和56)年10月11日初版を参照して訂正した。
入力:et.vi.of nothing
校正:et.vi.of nothing
1999年1月24日公開
1999年9月6日修正
青空文庫作成ファイル:
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