しい塚《つか》、「青山半蔵之|奥津城《おくつき》」とでもした平田門人らしい白木の墓標なぞが、もはやそこに集まるものの胸に浮かんだ。時が来れば、その塚の上をおおう青い芝草の想像までも。
「清助さ、遠方の通知はもうすっかり出したろうか。」
「さあ、もれたところはないつもりですがね。」
「東京の平田家へは。」
「それを落とすようなことはしません。熱田《あつた》の暮田正香《くれたまさか》先生のところへも。」
「そう言えば、森夫さまや和助さまはどうなさるだろう。お父《とっ》さんのお葬式に、お二人ともお帰りにはなるまいか。」
「それがです。中津川から父上死去の電報は打ちましたがね、お帰りになるがいいともなんとも言ってあげたわけじゃない。宗太さまからもその話はありません。たぶん、和助さまたちは、お見えにはなりますまい。」
 清助と伏見屋主人や勝重との間には、しばらくこんな立ち話がはずんだ。そこへ三郎と益穂の二人も勝重らを探《さが》しに杉の枯れ葉の落ちた細道を踏んで、お粂夫婦が妻籠の連中と共に旧本陣の方へ着いたことを告げ知らせに来た。
 こうして一同が集まって見ると、いずれもようやく重荷をおろしたよう
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