言いたてて、それによって半蔵を動かそうとした。この庄助としては、ただただ半蔵の健康状態について村のもの一同心配していることを告げ、すでに病室の用意のできていることを語り、皆の行けというところへ半蔵にもおとなしく行ってもらったら、薬には事を欠かさせまいし、日ごろお師匠さまの世話になったものがかわるがわる看護に当たろうからと、頼むようにするほかの手はなかった。庄助は幾度か躊躇《ちゅうちょ》したあとで、そのことを半蔵の前に言い出した。
「ふうん。庄助さ、お前までこのおれを病人扱いにするのかい。そんな話をきくとおれは可笑《おか》しくなる。」とは半蔵の返事だ。
「でも、お師匠さまは御自分だって、気分が悪いぐらいのことは思わっせるずら。」
「いや、おれはそんな病気じゃないぞ。」
 と答えて、半蔵は聞き入れなかった。


 実に急激に、半蔵の運命は窮まって行った。栄吉らは別室で庄助の返事を待っていたが、その庄助が店座敷からむなしく引き返して行って、容易には親類仲間の意見に服しそうもない半蔵の様子を伝えると、いずれも顔を見合わせて、ほとほと彼|一人《ひとり》の処置にこまってしまった。旧|問屋《といや》
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