》たちの大御心《おおみこころ》にて、その御神徳の広大なる故《ゆえ》に、善《よ》き悪《あ》しきの選みなく、森羅万象《しんらばんしょう》のことごとく皇国《すめらみくに》に御引寄せあそばさるる趣を能《よ》く考へ弁《わきま》へて、外国《とつくに》より来る事物はよく選み採りて用ふべきことで、申すも畏《かしこ》きことなれども、是《これ》すなはち大神等《おおみかみたち》の御心掟《みこころおきて》と思い奉られるでござる、」とあるような、あんな広い見方のしてあるのに、彼が心から驚いたのも『静の岩屋』を開いた時だった。先師はあの遺著の中で、天保《てんぽう》年代の昔に、すでに今日あることを予言している。こんなに欧米諸国の事物がはいって来て、この国のものの長い眠りを許さないというのも、これも測りがたい神の心であるやも知れなかった。
言葉もまた重要な交通の機関である。かく万国交際の世の中になって、一切の学術、工芸、政治、教育から軍隊の組織まで西洋に学ばねばならないものの多いこの過渡時代に、まず外国の言葉を習得して、自由に彼と我との事情を通じうるものは、その知識があるだけでも今日の役者として立てられる。今や維新
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