かたち》に改めさせたというようなことまでが二少年の心を動かすに充分であった。
 いよいよ馬籠御通行という日が来ると、四、五百人からの人足が朝から詰めて御通輦《ごつうれん》を待ち受けた。半蔵は裏の井戸ばたで水垢離《みずごり》を執り、からだを浄《きよ》め終わって、神前にその日のことを告げた後、家の周囲を見て回ると、高さ一丈ばかりの木札に行在所と記《しる》したのが門前に建ててあり、青竹の垣《かき》も清げにめぐらしてある。
 家内一同朝の食事を済ますころには、もう御用掛りの人たちが家へ入り込んで来た。お民は森夫や和助を呼んで羽織袴《はおりはかま》に着かえさせ、内膳《ないぜん》課の料理方へ渡す前にわざわざ西から取り寄せたという鮮魚の皿《さら》に載せたのを子供らにも取り出して見せた。季節がら食膳に上るものと言えば、石斑魚《うぐい》か、たなびらか、それに木ささげ、竹の子、菊豆腐の類《たぐい》であるが、山家にいてはめずらしくもない河魚や新鮮な野菜よりもやはり遠くから来る海のものを差し上げたら、あるいは都の料理方にもよろこばれようかと彼女は考えたのである。
「御覧、これはサヨリというおさかなだよ。禁庭さ
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