あらばここの御憩《みいこ》ひ、恒《つね》よりも長くいまさな。
春ならば花さかましを、秋ならば紅葉《もみじ》してむを、花紅葉今は見がてに、常葉木《とこわぎ》も冬木もなべて、緑なる時にしあれば、遠近《おちこち》の畳《たた》なづく山、茂り合ふ八十樹《やそき》の嫩葉《わかば》、あはれとも看《み》したまはな。
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かしこくもわが大君、山深き岐岨《きそ》にはあれど、ふたたびもいでましあらな。
あなたふと、わが大君、しまらくも長閑《のど》にいまして、見霽《みは》るかしませ。
反歌
大君の御世とこしへによろづよも南の山と立ち重ねませ
夏山の若葉立ちくぐ霍公鳥《ほととぎす》なれもなのらな君が御幸《みゆき》に
山のまの家居る民の族《やから》まで御幸をろがむことのかしこさ
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御順路の日割によると、六月二十六日鳥居峠お野立《のだ》て、藪原《やぶはら》および宮《みや》の越《こし》お小休み、木曾福島御一泊。二十七日|桟《かけはし》お野立て、寝覚《ねざめ》お小休み、三留野《みどの》御一泊。二十八日妻籠お小休み、峠お野立て、それから馬籠御昼食とある。帝が群臣
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