かえって維新は成就しがたいのであるか、いずれとも彼には言って見ることはできなかったが、これまで国家のために功労も少なくなかった主要な人物の多くでさえ西南戦争を一期とする長い大争いの舞台の上で、あるいは傷つき、あるいは病み、あるいは自刃し、あるいは無慙《むざん》な非命の最期を遂げた。思わず出るため息と共に、彼は身に徹《こた》えるような冷たい山の空気を胸いっぱいに呼吸した。


 亡《な》き伊之助の百か日に当たる日も来た。今さら、人の亡くなった跡ばかり悲しいものはなく、月日の早く過ぐるのも似る物がないと言った昔の人の言葉を取り出すまでもなく、三十日過ぎた四十日過ぎたと半蔵が飛騨の山の方で数えた日もすでに過ぎ去って、いつのまにかその百か日を迎えた。
「お民、人に惜しまれるくらいのものは、早く亡くなるね。おれのようなばかな人間はかえってあとにのこる。」
「あのお富さんもお気の毒ですよ。早くおよめに来て、早く世の中を済ましてしまったなんて、そう言っていましたよ。あの人も、もう後家《ごけ》さんですからねえ――あの女ざかりで。」
 こんな言葉を妻とかわした後、半蔵は神祭の古式で行なわれるという上隣へ
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