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洋服すがたに
ズボンとほれて、
袖《そで》ないおかたで苦労する。
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 激しい移り変わりの時を告げ顔なものは、ひとりこんな俗謡にのみかぎらない。過ぐる七年の月日はすべてのものを変えつつあった。燃えるような冒険心を抱《いだ》いて江戸の征服を夢み、遠く西海の果てから進出して来た一騎当千の豪傑連ですら、追い追いの粋《いき》な風に吹かれては、都の女の俘虜《とりこ》となるものも多かった。一方には当時|諷刺《ふうし》と諧謔《かいぎゃく》とで聞こえた仮名垣魯文《かながきろぶん》のような作者があって、すこぶるトボケた調子で、この世相をたくみな戯文に描き出して見せていた。多吉が半蔵にも読んで見よと言って、下座敷から持って来て貸してくれた『阿愚楽鍋《あぐらなべ》』、一名牛店雑談にはこんな一節もある。
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「方今の形勢では、洋学でなけりゃア、夜は明けねえヨ。」
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 これは開化の魁《さきがけ》たる牛店を背景に、作者が作中人物の一人《ひとり》をして言わせた会話の中の文句である。どんな人物の口からこんな文句が出るかというに、にわか散
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