がみさま》だ」と話しながら食事していると、給仕の下女がにわかに泣き出したというのである。子細をたずねると、その女の答えるには、実はその活神様が毎晩のように自分の寝部屋へ見える、うるささのあまり、昨夜は足で蹴《け》ってやったが、そんな立派な活神様では罰が当たって、この足が曲がりはしないかと、それで泣いたのだと言われて、彦麿もあいた口がふさがらなかったというのである。それを聞くと、そこにいたものは皆笑った。その話をはじめた同僚はますます得意になって、「いったい、下女の寝部屋へはいり込むようなものにかぎって、人格者だ」とやり出す。この「人格者」がまた一同を笑わせた。半蔵は顔色も青ざめて、その同僚の口から出たような話がどこまで本当であるやもわからなかったし、また、斎藤彦麿の日記なるものがどこまで信用のできるものかもわからなかったから、それをくどく言い争う気にはならなかったが、しかしそこに集まる人たちが鬼の首でも取ったようにそんな話をして楽しむということに愛想《あいそ》をつかした。前に本居宣長がなかったら、平田|篤胤《あつたね》でも古人の糟粕《そうはく》をなめて終わったかもしれない。平田篤胤がな
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