解決にたどり着いたのである。
大きな破壊が動いたあとだ。いよいよ廃藩が断行され、旧諸藩はいずれも士族の救済に心を砕き、これまで蝦夷地《えぞち》ととなえられて来た北海道への開拓方諸有志の大移住が開始されたのも、これまた過ぐる三年の間のことである。武家の地盤は全く覆《くつがえ》され、前年の十二月には全国募兵の法さえ設けられて、いわゆる壮兵のみが兵馬の事にたずさわるのを誇れなくなった。
瓦解《がかい》の勢いもはなはだしい。従来一芸をもって門戸を張り、あるいはお抱《かか》え、あるいはお出入りなどととなえて、多くの保護を諸大名旗本に仰いでいた人たちまでが、それらの主人公と運命を共にするようになって行った。その影響は次第に木曾路にもあらわれて来る。一流の家元と言われた能役者で、旅の芸人なぞの群れにまじり、いそいそとこの街道に上って来るのも、今はめずらしくない。
この混沌《こんとん》とした社会の空気の中で、とにもかくにも新しい政治の方向を地方の人民に知らしめ、廃関以来不平も多かるべき木曾福島をも動揺せしめなかったのは、尾州の勘定奉行《かんじょうぶぎょう》から木曾谷の民政|権判事《ごんはんじ
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